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EMC、安全規格、エネルギー効率等の情報


EN62368-1(IEC62368-1)はどのような規格内容か。

マルチメディア機器 ] 2015/05/19(火)

「オーディオ/ビデオ及び情報技術機器の安全規格」であるEN62368-1:2014は以下のような規格です。
1.「ハザード・ベース」での規格
IEC 62368-1はHBSEのコンセプトに由来する「ハザード・ベース」というアプローチで規格を構成されています。
・製品に対して構造規定や試験要求を設定するのではなく「①人体に傷害をもたらすエネルギー源の障害レベルに着目し、及び②そのエネルギーが人体に伝わることを防いでいる手段(「セーフガード」)と③その有効性を評価する」要求事項を規定する」という方式のようです。
2.HBSEのコンセプト
  危険エネルギーの伝達の流れ(HBSEコンセプトによる)は以下の図のごとくです。
 IEC62368-1 危険エネルギーの伝達
3.エネルギー源毎の「障害クラス分け」
  以下の表により、エネルギ源と障害レベルにより「障害クラス分け」を行う。
  表. 障害クラス分け
 エネルギー源毎の「障害クラス分け」
4.本規格はエネルギー源として以下の6つを想定し、各々の「障害クラス分け」を行う。
  (1)電気的エネルギー(感電)について :「ES1/2/3」
  (2)火災エネルギー(電気エネルギー原因による火災)について:「PS1/2/3」
  (3)化学的エネルギー(物質の毒性など、化学反応による傷害(中毒や化学火傷など)の原因) 
    :物質の種類が多岐にわたること、危険度の数量化が困難なことから具体的なクラス分けを定義していない。
  (4)機械的エネルギー(怪我の原因となる運動エネルギー、位置エネルギーなど)について:「MS1/2/3」
  (5)熱的エネルギー(火傷の原因となる熱)  について:「TS1/2/3」
  (6)放射エネルギー(レーザを含む光、音波、X線等) について:「RS1/2/3」
5.各エネルギーに対する要求事項は下の規格の「5章~10章」に記載されている。 
 0章:この製品安全規格の原理
 1章:適用範囲
 2章:参照規格
 3章:用語、定義、略語
 4章:一般要求事項
 5章:感電(Electrically-caused injury)
 6章:火災(Electrically-caused fire)
 7章:危険物質による傷害(Injury caused by hazardous substances)
 8章:機械的傷害(Mechanically-caused injury)
 9章:熱による傷害(火傷)(Thermal burn injury)
 10章:放射(Radiation)
 各種附属書(Annex A-W)
6.「人」の分類
 一般人 ,指示を受けた人、熟練者の3つに分類している。
(1)「一般人」 :機器の使用者だけでなく、機器の近傍にいて機器に接触可能な全ての人を含みます。
(2)「指示を受けた人」:熟練者によって指導され、トレーニングされた人、または熟練者によって監督される人を指します。
(3)「熟練者」:機器の技術に関して訓練や経験を積み、機器に内在するエネルギーの種類や程度について十分な知識を持つ「人」を指します。
7.機器の「セーフガード」(安全防御)について
 前記の「人の分類」と「エネルギーのクラス分け」により、「セーフガード」が変わります
(1)「一般人」
①エネルギークラス1の場合
 一般人のセーフガード-1
②エネルギークラス2の場合
 一般人のセーフガード-2
③エネルギークラス3の場合
 一般人のセーフガード-3
(2)「指示を受けた人」
①エネルギークラス1の場合
 指示を受けた人のセーフガード-1
②エネルギークラス2の場合
 指示を受けた人のセーフガード-2
③エネルギークラス3の場合
 指示を受けた人のセーフガード-3

(3)「熟練者」
①エネルギークラス1の場合
 熟練者のセーフガード-1
②エネルギークラス2、及びクラス3の場合
 熟練者のセーフガード-2
③エネルギークラス3の場合で保守作業
 熟練者のセーフガード-3

8.セーフガード(安全防御)の種類と内容
 セーフガードには機器、設置、個人、行動の4つのセーフガードがある。
又、このうちの行動セーフガードとして、物理的なセーフガードがないもので、さらに3種類があります。
尚、一般にセーフガードを設ける優先順位は、1.機器セーフガード→2.設置セーフガード→3.行動セーフガードとなる。
 機器セーフガードは、製造者が提供する機器構造の一部として、人の行動によらず常に有効でより確実です。
従って、可能な限り機器セーフガードでエネルギー伝達を防ぐことが望ましい。
 下表は4種類のセーフガードの内容と優先順位です。
 セーフガードの分類と内容

9.IEC62368-1の評価プロセス
(1)6種類のエネルギー源(感電に対する電気エネルギー、火災に対する電気エネルギー、化学的エネルギー、機械的エネルギー、熱エネルギー、放射エネルギー)それぞれに対して危険度に応じた3段階のクラス分けを行う。
(2)「各エネルギー源」毎に「3種類の人」との間に必要なエネルギー伝達防止手段(セーフガード)を定義する。
(3)そのセーフガードの有効性を評価する。
10.IEC62368-1試験報告書のフォーマット
 IECのWEBで販売されています。米国ULがテストレポートフォーム(TRF)起案者を務めたようです。
 表題: IECEE TRF 62368-1:2014
      This Test Report Form applies to: IEC 62368-1:2014 (Second Edition)
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プロフィール

湘南次郎

Author:湘南次郎
(1)電気・電子機器メーカにて「電子機器」設計、及び「EMC・安全規格」適合取得に従事し、効率的な規格適合を支援してきました。
(2)国内(VCCI、PSE)、欧米(CE、UL)、アジア(CCC等)の規格適合に関して、アドバイスを行ってきました。

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