FC2ブログ

EMC、安全規格、エネルギー効率等の情報


FDA、医用機器規制の概要、及び申請・手順!

米国・カナダ ] 2015/09/07(月)

米国に医療機器を輸出しようとする場合、米国FDA(食品医薬品局:Food and Drug Administration)への届出・承認申請が必要です。
 尚、新規製品だけでなく、届出・承認済み製品の変更の際にも、FDAへの手続きが必要です。即ち、製造業者は、「市販前届出」(Premarket Notification:510(k)を提出する必要があります
 510(K)の対象製品は、PMAの対象ではありません。510(K)の提出者は、既に510(k)登録の一つ以上の類似機器と自分の機器を比較し、その実質的同等性の主張を行う必要があります。
1.FDAの担当部門
 FDAで医療機器の規制を管轄する部署は、CDRH(Center for Devices and Radiological Health:医療機器・放射線保健センター)です。
 医用機器の総合アドバイスのサイトは以下です。
 Device Advice - Device Regulation and Guidance 
2.法令
 「連邦食品医薬品化粧品法」(Federal Food, Drug, and Cosmetic Act:FDCA)および特別法「医療機器修正法」(Medical Device Amendment Act,1976年制定)
3.医用機器はリスクによりクラス分類される。
 患者や機器使用者に影響を及ぼす可能性のあるリスクの程度によって「3クラス(Class I、IIおよびIII)」に分けています。
(1)Class I機器
 大部分(例えば、包帯、手袋のような一般的なもの)は、リスクが低いので「市販前届出」(Premarket Notification、510(k))は不要です。
(2)Class II機器
 ClassⅡ機器(例えば、電動式車椅子、輸液ポンプ等)は510(k)が必須です。
(3)Class III機器
 体内に埋め込まれる人工心臓用バルブ(replacement heart valves)等のように、人体損傷、健康面などのリスクが大きな機器なので、510(k)ではなく、「市販前承認」(Premarket Approval:PMA)を受けることが要求されます。
4.米国で医用機器を販売する場合の手順
(1)製品が「FDA規制の医療機器に該当するか」を確認する。
 FDCAのSEC201(h)によれば、計器(Instrument)、装置 (Apparatus)、道具・備品(Implement)、機械(Machine)、インプラント、体外診断薬(In Vitro Reagent)、その他これらに類するもので、部品やアクセサリーなども含まれる。
 以下のいずれかに該当するものを指します。
  ・米国国民医薬品集(National Formulary)、米国薬局方(The United States Pharmacopeia)およびそれらの付録にて規定されているもの。
  ・人間またはその他の動物への診断、完全治癒・治療(Cure)、緩和医療(Mitigation)、対症治療(Treatment)、病気予防の目的で使用するもの。
  ・人間またはその他の動物への身体・機能に影響を与えることを目的とするもので、その本質的な目的が体内での化学的作用によるものでなく、代謝によるものでもないもの。
(2)Class IからIIIのどれに該当し、どんな登録、届出、申請などが必要かを調べる。
 規制番号(Regulation Number)を調べる必要がある。
 調査方法として2つあるようです。
 ①FDAのDevice Classification Panelのサイトにある分類から調べる方法。
 ②FDAのProduct Classificationデータベースを利用する方法。
 いずれも該当する品目が表示され、Classの分類や510(k)提出の必要性が表示されます。
(3)データベースに該当がない新しいタイプの医療機器の場合
 特に生命にかかわったり、患者が大きなリスクを負うようなハイリスクの製品で、Regulation NumberがはっきりしないものはPMAの手続きが必要となります。
 尚、該当がない新しいタイプの医療機器でもリスクにより「de novo process」という手続により、510(k)で済む場合もあります。
5.米国以外の製造業者の手続き
 以下の手続きが必要です。
5.1 輸出前の手続き
(1)米国内に代理人(agent)を1名任命することが外国製造業者に義務付けられています。
 代理人は米国在住者か事業所の設置者で、私書箱や留守番電話は無効です。代理人の責務は以下のとおりです。
  ・FDAと製造業者との仲介
  ・製造業者の米国向け機器に関するFDAからの質問への回答
  ・FDAによる製造業者の検査が必要な場合のスケジュール調整等
  ・FDAが製造業者との連絡が取れず代理人に連絡した場合には、当該製造業者に連絡したものとみなされます。
  ・ただし、代理人はMDR(有害影響・副作用報告)、510(k)やPMAの提出については、一切責任を負いません。
(2)医療機器のクラスに応じた510(k)またはPMAの提出
 510(k)の要求事項に従った内容の書類を作成し、CDRHへ届け出ます。
  ・手数料(510(k) Review User Fees)は標準5,018ドル、中小企業(年商1億ドル以下の企業)2,509ドル(2014年10月から有効)と なっています。
  ・製造企業が直接FDAに提出することもできますが、審査の効率化、短縮化を図るため、FDAから認定を受けた第三者審査機関が提出することが推奨されています。
  ・第三者機関は、510(k)の基本的な審査を行った上で、審査結果と共に510(k)をFDAに推薦します。また、この場合は、FDAに手数料を支払う必要はありません。ただし、審査費用が別途必要になります。
PMAの手続きとして、承認審査手数料(Device Review User Fees)を支払って、審査を受けなければなりません。
 承認審査手数料は標準25万895ドル、中小企業(年商1億ドル以下)6万2,724ドル(この金額設定は2014年10月から有効)支払って、審査を受けなければなりません(ただし、年商3,000万ドル以下の小企業は、特例措置として、初回のPMA 手数料は免除されます)。
 承認決定までの日数は、法律上、申請後180日以内と定められていますが、実際にはそれ以上かかるといわれています。
(3)表示、及びラベリング
  医療機器のラベル表示だけでなく、機器に付属する説明文書、パンフレット類などへの表示も要求されます。
  ・連邦規則には、ラベル表示要件、表示項目、禁止事項、運用方法等が、一般表示要求事項(General Device Labeling:21 CFR Part 801)のほか、特定機器に対する表示や品質保証関係の要求事項 (Good Manufacturing Practices: 21 CFR Part 820)として規定されています。
  ・詳細は、FDA発行のガイドライン文書 (Labeling ? Regulatory Requirements for Medical Devices)に記載されています
(4)事業所責任者による事業所・製品登録(Establishment Registration)の実施
  ・原則として、オンライン登録を行います(Electronic Registration)。
  ・2012年10月1日から、医療機器の事業を行うために登録する全ての組織に対し、FDAへの年次登録料の支払いが義務付けられました。2014年10月1日~2015年9月30日までの年次登録料は一律3,646ドルです。
(5)品質管理規則(Quality System Regulation)に準拠して製造した旨の証明書の提出
 品質管理規則は、医療機器が適切な仕様と管理に基づき、設計・製造されることを求めるもので、各製造業者は、各製品に応じた品質管理システムを確立し、維持しなくてはなりません。
 ・医療機器の品質管理規格にはISO13485がありますが、内容が異なることに注意が必要です。
 ・当該品質管理規則については、FDAがマニュアルを作成しています。
(6)有害影響・副作用報告(Medical Device Reporting:MDR)の提出
 ・製造業者は、機器の使用による死亡、重大な有害事例、異常があった場合、知った日から30日以内にFDAへ報告しなくてはなりません。
 ・また、直ちに処置を施さないと公衆の健康に重大な影響を及ぼす場合には、5営業日以内にFDAへの報告が必要です。ある種類の医療機器について、初めてFDAに報告する際には、当該機器が今後報告の対象となることを示すための最初の報告書となるベースライン・レポート(Baseline Report)も必要です。
 ・報告後、さらに報告すべき事象が見つかった場合には追加で報告(Supplemental Report)します。
 ・その他、年次報告(Annual Certification)も必要です。
5.2 FDAの諸手続き後の輸入時の通関手続き
 ・輸入業務とは、輸入業者(initial importer)が外国製造業者から米国の最終消費者・ユーザーに輸入製品を引き渡すまでの作業を指し、輸入品の再梱包、再表示や内容物の変更は含みません。
 ・輸入業者も事業所登録が必要で、またMDRの適用対象です。
 ・輸入通関時、税関・国境警備局(U.S. Customs and Border Protection:CBP)では、FDAサンプル検査の要否を決め、不要な場合は通常の通関手続きになりますが、必要な場合は、実験室や現地での検査が行われ、適法性の判断や必要な処置が取られます。
 ・関税率は、「米国関税率表」にあるとおり、機器の種類によって異なります。また、連邦政府の内国税(excise taxes)は、ヘルスケアと教育調整法(Health Care and Education Reconciliation Act of 2010)により、2012年12月31日の後に生じた医療機器(一部例外を除く)の売り上げに対し、製造業者、生産業者あるいは輸入業者に2.3%が課せられることとなりました。
 ・そのほか、州によっては、販売・使用税(sales and use tax)を課すとともに、適用除外を設けているケースもある。

08:00 | トラックバック:0 | コメント:0 | 先頭 | TOP



トラックバックURLは http://firstspring.blog.fc2.com/tb.php/179-51c67cc1

トラックバック


コメント


コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

| このページの先頭へ |

プロフィール

湘南次郎

Author:湘南次郎
(1)電気・電子機器メーカにて「電子機器」設計、及び「EMC・安全規格」適合取得に従事し、効率的な規格適合を支援してきました。
(2)国内(VCCI、PSE)、欧米(CE、UL)、アジア(CCC等)の規格適合に関して、アドバイスを行ってきました。

おすすめ

最新トラックバック

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR