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EMC、安全規格、エネルギー効率等の情報


欧州、高調波電流エミッション規格(EN61000-3-2:2014)の概要!

CEマーキング ] 2016/06/03(金)

白熱電球の消費電流の波形はきれいな正弦波です。50、60Hzの基本波のみです。
一方、スィチング電源等の消費電流は電源電圧のピーク付近でパルス状に流れます。こちらは基本波の他に基本波の2倍、3倍・・・の周波数成分がある電流が流れています。これが高調波電流です。この高調波電流は電動機のコンデンサの加熱、ブレーカの誤動作を発生させます。この高調波電流を規制しています。
尚、機器のカテゴりにより、クラス分類され、各々に対し高調波電流発生の限度値を規定しています。
更に、試験条件の規定がある機器もあるので、試験前に整理が必要です。
1.CEマーキングでのEN61000-3-2版の適用について
現在、移行期間中です。
(1)EN61000-3-2:2006+A1:2009 :2017年6月29日まで
(2)EN61000-3-2:2014 :2015年1月16日から有効、2017月6月30日から強制
2.適用範囲
 ・「公共低電圧配電系に接続される、1相あたり入力電流16A以下」の電気電子機器です。
 ・大電力機器(3.7KVA)、及びバッテリ駆動機器は対象外です。
3.試験前の確認
 試験前に下図の各項目の確認が必要です。
  EN 61000-3-2試験前の確認 
4.対象機器のクラス分け:2014年版
(1)クラスB機器:
  ・手持ち型電動工具
  ・専門家用でないアーク溶接装置
(2)クラスC機器:
  ・照明機器
(3)クラスD機器: 有効入力電力が600W以下である下の機器
  ・パソコン、及びパソコン用モニタ
  ・テレビ
  ・インバータ冷蔵庫
(4)クラスA機器:
  ・クラスB、C、Dに該当しない機器
  ・平衡3相機器
  ・白熱電球用調光器
5.禁止の制御方式
(1)非対称、及び電源直接の半波整流は原則禁止。
 但し、下の3つのいずれかの場合のみ使用できる。、又非対称制御はモータのみ使用できる。
 ①安全でない状態検出が可能とする唯一の実際的手段である。
 ②制御する入力電力が100W以下
 ③手持ち形機器で、2芯コード付きで、2,3分の短時間の使用機器
(2)対称制御方式は、全正弦波入力電力が200W以下か、又はクラスDの限度値を超えないならば、加熱要素用電源に用いてもよい。
(3)対称制御方式は次の条件を満たすとき専門家用機器と認められる。
 電源入力試験後に、対応する限度値を超えず、下の2つの条件を満たす場合。
 ①ヒータの熱定数が2秒未満で、その温dpを精密に制御する必要がある。
 ②他に経済的に利用できる手段がない。
6.専門家用の定義
 商業用、専門家、又は産業用の機器で且つ、一般大衆に対して販売しない機器と定義されています。
 尚、製造業者はこのことを指定する必要がある。
7.試験が不要な機器:2014年版
 ・照明機器を除く、定格電力75W以下の機器
 ・全定格がIKW超の専門家用で一般人には販売しない機器
 ・定格電力200W以下の対称制御した加熱要素
 ・定格電力1KW以下の白熱電球用の独立形調光器
 ・電子トランス、及び調光器を組み込まない白熱電球照明器具
 ・適合品の安定器。及び適合品の電子トランスを用いる照明器具
 ・IEC60335-2-14で規定された厨房機器
8.特定の試験条件の規定がある機器
 ・C.2 テレビ受信機
 ・C.3 オーディオアンプ
 ・C.4 VTR
 ・C.5 照明機器
 ・C.6 独立形、及び器具内用白熱電球用調光器
 ・C.7 電気掃除機
 ・C.8 電気洗濯機
 ・C.9 電子レンジ
 ・C.10 情報技術機器(ITE)
 ・C.11 電磁調理器
 ・C.12 エアコン
 ・C.13 IEC60335-2-14で規定された厨房機器
 ・C.14 専門家用以外のアーク溶接機
 ・C.15 専門家用以外の高圧洗浄機
 ・C.16 冷蔵庫、及び冷凍庫

9.特定の試験条件の規定がない機器
 この機器は共通試験条件(最大の総合高調波電流:THCを発生すると想定できるモードに設定)で試験します。
10.試験観測期間(Tobs)の規定
 測定時間のことです。機器の動作のタイプにより4種類に分けて規定されています。
 (1)準静止: Tobsは、繰返し性の要求を満たすのに十分な継続時間
 (2)短周期的(周期≦2.5分): Tobsは、10周期以上、又は繰返し性の要求を満たすのに十分な継続時間、もしくは同期化している。
 (3)ランダム: Tobsは、繰返し性の要求を満たすのに十分な継続時間
 (4)長周期的(周期 >2.5分): Tobsは、機器のプログラムサイクル全体、又は製造業者がTHC最大と考える代表的な2.5分間
11.限度値
(1)クラスA
高調波次数
 n
最大許容高調波電流
   A
奇数次高調波
  3
  5
  7
  9
  11
  13
15≦n≦39
2.30
1.14
0.77
0.40
0.33
0.21
0.15×(15/n)
偶数次高調波
  2
  4
  6
8≦n≦40
1.08
0.43
0.30
0.23×(8/n)

(2)クラスB :
  ・クラスAの1.5倍の値

(3)クラスC
高調波次数
 n
照明装置の基本波入力電流の
百分率として表される最大値

    %
 2
 3
 5
 7
 9
11~39の奇数次
  2
  30×λ
  10
  7
  5
  3

(4)クラスD

高調波次数
 n
電力比例限度値
mA/W

最大許容高調波電流
  A

 3
 5
 7
 9
 11
13~39の奇数次
 3.4
 1.9
 1.0
 0.5
 0.35
3.85/n
2.30
1.14
0.77
0.40
0.33
クラスAによる

*関連記事
 ・欧州、高調波電流のEMC規格(EN 61000-3-2:2014)は何が変更か!

*関連JIS規格:IECの2009年版で日本事情に合わせた内容です。
 ・JIS 61000-3-2:2011が閲覧できます。
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プロフィール

湘南次郎

Author:湘南次郎
(1)電気・電子機器メーカにて「電子機器」設計、及び「EMC・安全規格」適合取得に従事し、効率的な規格適合を支援してきました。
(2)国内(VCCI、PSE)、欧米(CE、UL)、アジア(CCC等)の規格適合に関して、アドバイスを行ってきました。

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