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IEC60601-1-2 Ed4 「EMCリスクマネジメント方法」

医用機器 ] 2014/10/05(日)

IEC60601-1-2 Ed4 は医療機器の新EMC規格である。本EMC規格では「電磁リスクマネジメント」(EM Risk Management)が要求されている。「リスクマネジメントの方法について」は、本規格の「付属書F」に記載されている。
注)このリスク解析文書は試験前に要求される。
1.全般
 医療機器の安全規格「 IEC60601-1 Ed3 」の中で、指定されているリスクマネジメント規格「ISO 14971:2007 」
と関連しており、本規格の付属書Fでは、以下の構成になっている。
 (1)リスク管理の一般的な要件 :(F1、2)
 (2)EMリスク分析 : (F.3);
 (3)EMリスク評価 : (F.4);
 (4)EMリスク管理 : (F.5)
    検証と妥当性確認方法
    例えば:
     -デモンストレーション
     -チェックリスト
     -検査
     - レビュー&アセスメント
     - 独立したレビュー、及び評価
     - 監査
     - 非規格のチェックとテスト
     -個別および/または集合のハードウェアテスト
     - コンピューターシミュレーション
     - 電磁·テスト
 (4)EM残存リスクの受容性の評価 : (F.6);
 (5) リスク管理レポート : (F.7)
 (6)製造と製造後の情報  : (F.8)
 尚、リスクマネジメントプロセスの流れはISO14971と同様です。
 下図に示す。
   リスクマネジメントプロセスの流れ

図F.1は、ISO14971と本規格の関係図である。
   付帯的規格の機能

2. リスクマネジメント」の実施
  上図のリスクマネジメント・プロセスの流れに従い、実施する。
3.EMリスク分析 : (F.3) 
  SO14971:2007の4.1節で、リスク分析プロセスについて説明している。
 そして、いくつかのリスク分析手法の詳細については、その附属書Gに記載している。
 (1)単一のリスク分析技術では十分でない。
  ・完全なリスク分析は、少なくとも一つの「演繹的」または「トップダウン」方式(例えばフォルトツリー)を含める必要があり  、及び少なくとも一つの「誘導」または「ボトムアップ」方式(例えば故障モード·影響解析(FMEA))を使用する。
  ・また、設計者だけではなく、現場サービスエンジニア、経験のあるオペレーターなど広い範囲の人々を含む「ブレインストーミング」を行うべき
  ・多くの一つは、実証済み用い方法(例えば、DELPHI)
 (2)機械的やリスク分析手法の「丸写し」の使用は避けるべきである。
   良好なリスク分析は、常に経験と想像力が要求され、これはリスクの専門家によって広く、受け入れる。
  (3)利用可能なリスク分析手法のいずれも、電磁妨害の可能な効果を含むように書かれていない。
   適用するときに、EMCの経験が必要です。
   EMC機能安全のためのガイド(IET2008)のセクション3と4にリスク分析技術の追加指針と多くの有用な参照が提供されている。
   表F.1の追加現象の例は、考慮しなければならない。
    EMリスク分析で考慮すべき追加電磁現象


4.EMリスク評価 : (F.4);
 1)ISO14971:2007の第5条で、リスク評価プロセスを参照のこと。
  以下の記載あり。:
   製造業者は,特定した各危険状態について,リスクマネジメント計画で定義した判断基準を用い,リス
ク低減が必要かどうかを決定する。
   このリスク評価の結果は,リスクマネジメントファイルに記録する。・・・
 2)その電磁妨害がME機器やMeシステムの予想される使用期間にわたって、安全性を妨害しないことを
 このプロセス中に考慮されるべきである。
5.EMリスク管理 : (F.5)
 1)F.5.1 リスク管理·オプションの分析
電磁妨害によって引き起こされる可能性のリスクを低減することができる多くの方法がある。
 2)F5.2 リスクコントロール手段の実施
  製造業者は,選択したリスクコントロール手段を実施する。
  各リスクコントロール手段の実施を検証し,その結果をリスクマネジメントファイルに記録する。
  リスクコントロール手段の有効性を検証し,その結果をリスクマネジメントファイルに記録する。
  注記 有効性の検証に,妥当性の確認活動を含めることができる。
  適合性は,リスクマネジメントファイルの調査によって確認する。
F.5.1のリスク管理措置がに検証または検証を含めないものとすることができる多くの方法があります:
  - デモンストレーション;
   - チェックリスト;
   - 点検;
   - レビューや評価;
   - 独立したレビュー;
   - 監査(品質管理の一部);
   - チェックとテストを標準化されていない。
   - 個人および/または集積ハードウェアテスト。
   - コンピュータモデリングを検証。
   - テスト(例えば、実験室、工場受入試験やオンサイト·テスト)。
 3)F5.3 残留リスクの評価
  リスクコントロール手段の実施後に残る全ての残留リスクは,リスクマネジメント計画で定義した判断
  基準を用いて評価する。この評価の結果は,リスクマネジメントファイルに記録する。
  残留リスクがこれらの判断基準に適合しない場合は,更にリスクコントロール手段を適用する
  残留リスクを受容できると判断した場合,開示する残留リスク,及び附属文書に記載する必要がある情
  報を製造業者は決定する。
   適合性は,リスクマネジメントファイル及び附属文書の調査によって確認する。

 4)F5.4 リスク/効用 分析
  RM計画での判断基準に照らして残留リスクが受容できないと判断し、かつ、それ以上のリスクコントロールも現実的でない
 5)F5.5 リスクコントロール手段によって発生したリスク
  採用したRC手段の結果として、次の展をレビューする。
   a)新たなハザード又は危険状態が発生しないか。
   b)すでに特定した危険状態にちて推定したリスクが変わらないかどうか。

  この結果はRMファイルに記録する。
  適合性はRMファイルの調査によって確認する。
 6)F5.6 リスクコントロールの完了
  特定した全ての危険状態から発生するリスクを検討したことを確認する。
  この結果はRMファイルに記録する。
  適合性はRMファイルの調査によって確認する。

6.全体的な残存リスクの受容性の評価(F.6)
  ISO14971:2007の7節で全体的な残存リスクの受容性を評価するのプロセスについて説明している。
  電磁妨害が干渉しないようにすることに関連する特殊な問題
のME機器又はF.3で説明されていMEシステムの予想されるサービス期間にわたって安全性の提供にこの処理中に考慮されなければならない。
  EMC機能安全のためのガイド(IET 2008)のセクション3.4から3.8と4.2に多くの情報を提供している。
 リスクコントロール手段の完了し、検証した後、残留リスクを全体的に見渡して受容できるかどうか
をRM計画で確率した判断基準を用いて判定する。
  適合性はRMファイルの調査によって確認する。
7.リスク管理レポート(F.7)
  ISO14971:2007の第8条で、リスク管理プロセスの見直しやリスク管理レポートの結果を​​記録するために従うべきプロセスを記述している。
  出荷に先立ってRMプロセスをレビューする。少なくとも次を確認する。
   ・RM計画が適切に実施されているか。
   ・全体的な残留リスクが受容可能である。
   ・関連する製造及び製造後情報を入手する適切な方法が定められている。
  この結果をRM報告書に記録し、RMファイルに含める。
8.製造と製造後の情報  : (F.8)
  ①該当機器または類似機器の情報を収集し、レビュースル体系的手順を確立して確認する。
  ②手順は以下のいずれか。
    a)オペレータ、使用者、又は据えつけ、使用及び保守の責任者から収集し、処理する仕組み。
    b)新規または改正された規格
  市販されておる類似機器の情報も同様に行うのが望ましい。。
   -以前に認識していなかったハザード又は危険状態はないか。
   -危険状態と推定されるリスクがもはや受容できないかどうか。
  上の条件のいずれかに該当する場合は次を行う。
    1)すでに実施したRM活動への影響を評価し、RMプロセスのインプトとしてフィードバックする。
    2)該当する医療機器のRMファイルをレビューする。
   残留リスクまたは受容可能性が変わった場合には、以前に実施したリスクコントロール手段への
   影響を評価する。
  ③評価結果をリスクマネジメントファイルに記録する。

IEC60601-1-2 Ed4 (3/3)


 
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プロフィール

湘南次郎

Author:湘南次郎
(1)電気・電子機器メーカにて「電子機器」設計、及び「EMC・安全規格」適合取得に従事し、効率的な規格適合を支援してきました。
(2)国内(VCCI、PSE)、欧米(CE、UL)、アジア(CCC等)の規格適合に関して、アドバイスを行ってきました。

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