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IEC60601-1 Ed3 リスクマネジメント(RM)

医用機器 ] 2014/10/07(火)

医用電気機器の安全規格であるIEC60601-1のリスクマネジメントとは何か。
1.リスクマネジメント(RM)とは何か。
  ISO14971:2009の定義では以下です。
  ・リスクマネジメント(risk management) :
    リスクの分析,評価,コントロール及び監視に対して,管理方針,手順及び実施を体系的に適用すること。
   ・リスク(risk) : 危害の発生確率とその危害の重大さとの組合せ。
   ・リスク分析(risk analysis) :利用可能な情報を体系的に用いてハザードを特定し,リスクを推定すること。
   ・リスク評価(risk evaluation) :判断基準に照らして推定したリスクが受容できるかを判断するプロセス。
   ・リスクコントロール(risk control) :規定したレベルまでリスクを低減するか又はそのレベルでリスクを維持するという決定に到達し,かつ,そのための手段を実施するプロセス。
   ・リスクマネジメントファイル(risk management file) :リスクマネジメントによって作成した記録及び他の文書のまとまり。
2.リスクマネジメントプロセス(RMP)
  下図のリスクマネジメントプロセスの一連活動の状態図である。
    リスクマネジメントプロセス
           注)リスクマネジメントファイルに図の活動の全ての記録が含まれる。
3.リスクマネジメント(RM)の成果:
  ・商品コントロールの定義と重要性に役立つ。
  ・サプライヤの評価活動に影響を与える。
  ・設計のための重要なインプットを提供する。
  ・設計の出力を評価するための基準としての役割を果たす
  ・設計変更の必要性を示す。
  ・プロセス・コントロールの定義,、及び、割り当ての合否基準を提供する。
4..ハザード(危険源)の見つけ方
  ・規格内記述
  ・類似製品の分析
  ・設計者へのインタビュー
  ・類似製品のユーザーのインタビュー
  ・営業担当者の経験
  ・RAのチームでブレインストーミング
  ・FDAの医療機器のレポートと事故レポートの分析
   (MAUDEデータベース)
  ・既存のリスク軽減措置の検討
  ・類似製品などのフィールドからの情報サービス統計、苦情、事件
  ・ISO14971の附属書CとE :付属書Eは参考になる。
   (例)ISO14971:2009 附属書Eからの例:
      電磁エネルギー:ライン電圧、リーク電流、電場、磁界
      熱エネルギー:高温、低温
      力学的エネルギー:重力、振動、蓄積されたエネルギー
      化学:気道、組織、環境や財産の露出
      生体適合性:化学成分の毒性
      使用誤り:注意の失敗、メモリ障害、規則ベースの障害、知識ベース故障、日常的な違反

5.主な変更点の一つ
  •規格の個別の要件を満たす、及び規格の対象とならないリスクを含むための代替方法としての、リスクマネジメントの導入方法。
  ・規格には1422の単一の要件があります。
  ・153は、RMへの直接リンクを持っている。 (RMFような重要なワード、容認できないリスク、など)。

6.なぜ、この様な大きな変化なのか?
  ・最低限の安全要件を指定する際に、プログラマブル電子システムのような特定の技術の安全性を評価する唯一の現実的な方法である設計プロセスの妥当性を評価するために作られている 。
  ・この原理の適用は、リスク管理プロセスを実施する一般的な要件の導入につながる要因の一つである。
  ・IEC60601-1第三版の開発と並行して、ISO / TC210との共同プロジェクトでは、医療機器のリスク管理のための一般的な規格の出版された。
  ・IEC60601-1のこの版への適合は、製造業者がISO14971(4.2参照)に準拠したリスク管理プロセスを持っている必要があります。
7.重要なこと
  (1)・ISO14971に準拠したリスクマネジマントプロセス(RMP)が実行されなければならない。
  (2)•適合性は、リスクマネジマントファイルの検査によって審査される。
    ・この要件及び、リスクマネジメントファイルの検査を行って、メーカが以下の状態であることで、規格のすべての要件について審査される。
     メーカーが以下を満していること:
      -リスクマネジメントプロセスを確立。
      -リスクの許容レベルを確立。
      -残存リスク(S)が許容可能であることを実証
       (許容できるリスクを決定するための方針に従う)
8.IEC60601-1:2005におけるリスクマネジメント
  ・ISO14971を適用:
   -ISO14971で述べている用語「故障条件」は含まなければならないが、この規格で特定されいる単一故障条件に限定されるものでない。
- 許容リスクと残存リスク(S)の良否を判定するための方針は、製造業者によって確立しなければならない。
  ・この規格又はその特定の規格のいずれかが特定のリスクに対処する検証可能な要件を仕様化し、これらの要件が適合している場合、これらの要件による残留リスクはそれに反する客観的な証拠がない限り、許容可能であるものと推定される。
9.コンプライアンス
   コンプライアンスはリスク管理ファイルの検査によってチェックされる。
  ・要件と下記の状態で作成された「リスク管理ファイル」の検査を参照して、この規格のすべての要件が満たされていること。
 メーカーが以下の状態であること。
  -リスクマネジメントプロセス(RMP)を確立。
  -リスクが許容レベル。
  -残存リスクが許容可能(許容可能であることを実証)。
10..いつリスク管理が必要なのか?
 IEC60601-1:2006には、次の3の状況でRMPを必要とする。
(1)規格では対処されていない特定され、完全に新しい危険の場合:
  -  このような場合には、RMPは必須です。
  - 例:新技術(技術革新)を開発している。
(2)RMPは行われなければならない、又、定義された技術規格の要件を正確に満たす必要がある。
  

続く
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プロフィール

湘南次郎

Author:湘南次郎
(1)電気・電子機器メーカにて「電子機器」設計、及び「EMC・安全規格」適合取得に従事し、効率的な規格適合を支援してきました。
(2)国内(VCCI、PSE)、欧米(CE、UL)、アジア(CCC等)の規格適合に関して、アドバイスを行ってきました。

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